2022年問題とその背景にある生産緑地法の改正のポイントとは
前回の生産緑地に続き
第15回目は「2022年問題について」です。
前回の生産緑地に関するコラムをご覧になっていない場合はぜひ前回のコラムをご覧ください。
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さて、前回記載したように生産緑地地区には、固定資産税が減税される代わりに
30年間農林漁業として使用し続けなければならない制限がありました。
しかし1992年に一斉に指定されたため、その30年後にあたる2022年にはその制限が解除され
減税もされなくなるため、手放す人が続出し、土地の地価や住宅の価格の低下など起きる可能性が出てきます。
政府としては、上記のような問題と
- 防火上の対策
- 災害時の避難地
- 近辺の住民や学生に対しての収穫体験などのイベント実施
- 公共の施設を建築するための土地の確保
等の理由によりこの生産緑地を残していきたい方針です。
そのような背景もあり、1992年の制定以降数度にわたり法改正を行いました。
- 生産緑地の要件であった500㎡以上の面積を市町村の条例で300㎡まで引き下げ可能。
- 同一又は隣接する街区内に複数の農地がある場合、一団の農地等とみなして生産緑地として指定可能(ただし個々の面積が100㎡以上)
- 市町村長がその生産緑地の保全が良好な都市環境の形成に繋がると認め
且つ、所有者等の意見を聞いたうえで、特定生産緑地として10年間延長ができ、さらに10年ごとに延長可能。 - 生産緑地地区内にその地区等でとれた野菜などの販売や、
レストランなど施設を建設可能 - 田園住居地域の追加をして生産緑地地区以外の農地なども開発規制対象にする
①と②の面積緩和と隣接する農地を一団の農地とみなすこと
ついては、今まで、隣接する生産緑地が所有者の死亡や、公共用施設建設のための買収などで、所有する農地が500㎡未満になると生産緑地ではなくなり、減税ができなくなっていましたが、それを抑制するために改正されました。
③の特定生産緑地については、減税を受けられる期間を10年ごとに延長可能にすることで、一斉に買取りの申込がされることへの抑制と生産緑地の保全の為に改正されました。
④の野菜販売やレストランの施設建設可能については、農地所有者の収益性を向上し農業を引き続き継続しやすくするために改正されました。
⑤の田園住居地域については現在、市街化区域内の農地は生産緑地に指定された場所だけ保護対象になっておりましたが、それ以外の農地も保護対象にするためと、市街化区域内の農地が残っているような低層住居専用地域などでは、建築不可能であった野菜販売用の店舗やレストラン等の設置が可能となります。
以上の様な対策をされている為、買取りの申し出が抑制されるとは思いますが、2022年ももうすぐ、今後どのような動きになるか注目したいところです。
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