深刻化する空き家問題!現状と対策を解説します
今回は空き家問題についてお話していきたいと思います。
目次
1.空家売買の媒介報酬
近年、空家問題への対応が重要課題となっています。
地方の空き家問題は毎年増えてます。
遠隔地における空き家への移動費、調整費用は通常より調査費用等がかかる上、空き家の売買の低い価格に応じる媒介報酬額が決まっている為利益が見込めない理由により宅建業者の行動に制限がかかっておりました。
上述の問題を改善するため、
国土交通省は宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬額に関し、
平成29年12月に告示改正を公布し、平成30年1月1日から施行した。
平成30年1月1日より低廉な空家等という、
価格が400万円以下(税抜)の土地又は建物(交換の場合は価格が高い方が400万円以下の場合)で、
その売主の媒介・代理の場合は、
媒介報酬額+現地調査費用等として最大18万円(+消費税)まで受け取れるようになりました。
但しこの規定は売主からのみ且つ、合意が前提となっております。
また、総務省の平成 25 年住宅・土地統計調査によると総住宅数は,6063万戸に対して、空き家数は 820 万戸
あり、この改定と不動産特定共同事業法の改正で古民家を利用した事業等が増えれば、空き家の減少に
繋がっていくと思います。
2.マンション空き家
都市における空家問題も増えています。
現在、修繕積立金の不足や空き室の増加などにより基本的な修繕ができなくなってきている物件が増えてきております。
1970年代後半からマンションが急激に増えましたため、2017年末の時点で築40年超えの物件は73万戸でしたが、2037年末には、約5倍の352万戸となります。
一般的にマンションは12~15年ほどで大規模修繕が必要と言われ
1回目は外壁塗装などで十分ですが、
2回目からは給水・排水管や昇降機の更新等が必要とされ
2回目の修繕はおおよそ30年までになりその期間を超える
40年もの間修繕されないといろいろな問題が生じてきます。
この問題は、なにも地方に限ったことではなく、
東京新宿区の築40年近くの物件で全80戸のうち20戸以上の雨漏りが生じているらしく、原因は修繕積立金不足との事でした。
実はこの修繕積立金は国土交通省によるガイドラインで
必要な金額が発表されており、下記の表が載っております。
この新宿区のマンションの修繕積立金は76円/㎡と
上記の218円/㎡の金額とだいぶ差があります。
そのため修繕積立金が不足し満足に修繕ができない状態に陥りました。
またこの修繕積立金は、様々な積立方式などがあり、
- 毎月同じ額を積み立てる均等積立方式
- 築5年からは~円など、段階的に値上げする段階増額積立方式
- 購入時にまとまった額を徴収する修繕積立基金
や金融機関からの借り入れを前提とした積立方式などがありますが、
段階的にあがる方式ですと、所有者の合意形成が難しく、修繕積立金の不足が発生する可能性が増えます。
また、空き家の増加により管理組合が機能しないマンションも増えております。
空き家の増加の原因は相続によることが多く戸建と違い他者との共有である
マンションは処分が難しく放置されることが多くなります。
埼玉のとある物件では管理組合がなく外壁がはがれシートさえかけられず、
鉄骨がむき出しの状態が半年以上続いています。
空き家の問題による管理不全は侵入を容易にし、犯罪の温床になることや、
修繕積立金不足による修繕不全などを招くことになります。
この様な状況を打開するため、マンションの建替え等の円滑化に関する法律というのがあり、
マンション管理者等の申請により特定行政庁が耐震性不足の認定をすると、5分の4以上の多数決により再建築でき、一定の要件のもと容積率の緩和も受けられることがあります。
また大阪府では、2017年2月より管理状況の登録制度(大阪府分譲マンション管理適正化推進制度)を作成し、
登録をすると管理状況の無料分析やアドバイザーの派遣、セミナー等受けることができます。
TAKUTO INVESTMENTではオーナー様皆様のお考えの投資プランに合わせて無理のない投資プランをご提案いたします。また、融資先のご紹介など投資前からのご相談だけではなく物件管理や大規模修繕のご計画などオーナー様の不安を解消できるようバックアップして参りますので、ぜひお気軽にお問合せください。