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譲渡所得税を節税したい方必見!!

譲渡所得税を節税したい方必見!!

 不動産投資をするにあたって、今自分が保有している不動産を売却して頭金にしたい。
 でも、以下のような理由で、実際かかった取得費を税務署に認定してもらえないから、次の一歩が踏み出せないでいらっしゃる方には朗報です。

  • 購入当時の売買契約書を紛失したので証明できない。
  • 先代から相続したので、そもそも取得費がゼロだから高額納税になりそう。

①譲渡所得税の課税パターン

 不動産を売買して売却益が出た場合、譲渡所得税という税金がかかります。

  例】
  1.3000万円で買った土地が4000万円で売れた。 簡単に言うと1000万円の利益に課税
  2.先代から相続した土地が4000万円で売れた。経費が掛かっていないので4000万円の利益に課税

②譲渡所得税額計算方法

 譲渡所得の計算は、譲渡所得に対し、20%の税(所得税15%と住民税5%)をかけて算出します。
 ただし、このパーセンテージは土地の所有期間が5年を経過している場合のものです。
 土地の所有が5年以下の場合は、39%(所得税30%と住民税9%)になります。
 これらはそれぞれ、長期譲渡所得、短期譲渡所得とよばれ、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下かどうかで判断されます。
 そのため、所有期間が4年11ヶ月と5年1ヶ月ではかかる税が倍近く変わることになります。譲渡所得税の計算式は、ごく簡単に書くと以下のようになりますし、具体的に書くと、図のようになります。

短期譲渡所得税(保有期間:5年未満)
長期譲渡所得税(保有期間:5年以上)
譲渡所得金額(譲渡益) × 39%


復興特別所得税2.1%
譲渡所得金額(譲渡益) × 20%


復興特別所得税2.1%

③譲渡所得金額(売却で得た利益)の求め方

 譲渡所得金額(譲渡益) = 売買でもうかった額 ― 必要経費(取得費+譲渡経費
 

  【取得費譲渡経費になるもの】

  1. 不動産の購入代金
  2. 建築代金
  3. 購入時にかかった税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税など)
  4. 購入した時や売却時の仲介手数料
  5. 売却に要した測量費
  6. 売却に要した整地費・建物の取り壊し費用…など

※このように、取得費が高ければ高いほど、譲渡所得金額(売却で得た利益)が小さくなり、納税額が少なくなることが分かるかと思います。

 では以下のようなケースで、これらの金額が分からない場合、取得費は「ゼロ」となるのでしょうか。
  ◆自分が購入した不動産だが、購入した時の売買契約書が見つからない。
  ◆先代が購入した不動産ではあるが、自分はそもそも相続でもらい受けたので、その不動産の取得費はかかっていない。
  (先代が購入した当時の売買契約書が存在しない。見つからない。)

 これらの場合、実際にはその不動産を、高い金額で購入しているにもかかわらず、取得費を証明できる書類などが存在しないので、「単に売却価格の5%を取得費として計上する(=概算取得費)」ということで、あきらめることが多いようです。
 いえ、「あきらめるのが当たり前」になっていることが多いのです。

 では,一般的にはどのように説明されいるかを見てみましょう。

購入額が不明なときは概算取得費で

 相続などで代々受け継がれてきた不動産や、購入した時期が古く売買契約書などの資料がない場合は取得額が分からないということもあるだろう。
 その場合は概算で、売ったときの収入額の5%相当額を取得費とすることができる。
 ちなみに取得費の証明は売買契約書が基本。もし、紛失などで証明ができない場合は、原則として概算取得費での計算になるが、実際に購入した金額が概算取得費より明らかに多い場合は不利益になってしまうので注意したい。

と、このような表現での説明がほとんどです!

売却した不動産の購入時の売買契約書がなく実額が分からなければ、上記の式の「取得費」について概算取得費の特例が適用され、収入金額(売買価格)の5%となってしまうのです。
 すなわち、売買価格の95%に対して税金が課税されてしまい、非常に高額の譲渡所得を納税することになります。
 たとえ、バブルの時に購入したという土地でも売買価格の95%が利益とみなされ、常識では考えられない課税が現実に行われています。
 取得時における売買価格は、当時の売主が確定申告を行っているため、税務署は全ての売買価格を把握しているのです。
 この価格さえ税務署が開示してくれれば、概算取得費5%で申告する人はいなくなるはずなのですが・・・
 本当は売買価格が分かっているくせに、売買価格の5%で申告させられる・・・不思議ですよね。
 売買契約書がない人からは、より多くの税金を徴収してしまえというのが見え見えです。

④泣き寝入りしない

 納税者と税務署が争う場合、国税不服審判所という第三者機関があり、そこで裁決された事例が裁決事例となります。
 簡単に言うと、裁判例のようなものです。
 以下の裁決事例は、取得費が不明である事例ですが、取得費が5%にならず、税務署が提案した方法で国税不服審判所が合理的と認めたものなのです。
 以下、裁決要旨を記載します。

請求人は、~、本件宅地を譲渡し、それにより収益を得たが、本件宅地を購入した時の取得費が不明であるとのことで~
この場合の取得費の算定は、5%ルールではなく、本件宅地購入当時の地価公示価格が市場価格を反映した近似値である。~
 これによって近似値の取得費が計算でき、それは合理的であると認められる。
        (平成12年11月16日裁決 大裁(所)平12-26)裁決事例集NO60・208ページ


 更に、「租税特別措置法関係通達31-4-1」などでは、以下のように規定されており、昭和28年1月1日以後に取得した土地建物等の取得費については、強制適用でないことも確認できます。

【租税特別措置法関係通達31-4-1】
 租税特別措置法第31条の4第1項の規定は、昭和27年12月31日以前から引き続き所有していた土地建物等の譲渡所得の金額の計算につき適用されるのであるが、昭和28年1月1日以後に取得した土地建物等の取得費についても、同項の規定に準じて計算して差し支えないものとする。
【租税特別措置法第31条の4第1項】
個人が昭和27年12月31日以前から引き続き所有していた土地等又は建物等を譲渡した場合における長期譲渡所得の金額の計算上収入金額から控除する取得費は、所得税法第38条及び第61条の規定にかかわらず、当該収入金額の100分の5に相当する金額とする。

 したがって、不動産購入時の売買契約書がなくても、取得費を合理的に算定することは認められているということなのです!
 不動産業者や税理士などの言われるがままにすると、あなたは売買価格の5%で泣き寝入りです。
 購入時期がバブルの時でも売買契約書がなければ、売買価格の5%が取得費になるのは、誰も納得しないと思いませんか?

⑤どんな方法があるか

 ずばり、「不動産鑑定士の『意見書』を添えて確定申告をする」です。

  『意見書』作成のための条件
  合理的な算定が行えるのは、地価公示制度が開始された「取得時が昭和45年以降」のものとなります。

  以下の場合は、昭和45年より前でも合理的な算定ができる可能性があります。
  ◆取得時に抵当権が設定されている場合(登記簿の抵当権設定額が取得費相当額と判断)
  ◆対象が分譲地内の土地で、近隣の方から売買契約書のコピーがもらえる場合

  【注意点】
  確定申告時に概算取得費5%で申告を行い、後日、その申告での納税から還付を行うことは、ほぼ不可能です。
  意見書による申告が可能となるのは、売却した翌年の確定申告時のみになるので、ご注意下さい。
  → なぜなら「概算取得費5%での確定申告」は、あくまでも「正当な申告行為」だからです。

  【更正請求】
  ●更正の請求とは、納税者が正しい税額に修正するための手続きである。
  ●更正の請求は、申告期限後にミスに気付いた時に行う手続きである。
  → あくまでも「申告ミス」を救済する制度なのです。

⑥結論

  ◆不動産購入時の売買契約書を紛失した
  ◆先代から相続で取得したので、自分は取得費を使っていない
 よって、取得費は概算の5%しか認められないから、高い税金を払わなければいけないとあきらめるのは早い。
意見書を添えた譲渡所得税の確定申告で、「現在まで税務署に否認されたことは一度もありません。」と宣言しきっている不動産鑑定士さんがいらっしゃいます。

 税理士さんのことをいうわけではないですが、基本的に税理士さんは不動産(特に土地)について、そんなに詳しくありません。
もちろん税理士を探されて、手続きされても構いませんが、譲渡所得税に強い先生でないと、購入時の売買契約書がないから、単に取得費は5%として、高額納税をしてしまうことが大半です。
「売買契約書が無い場合でも、5%ルールに準じて計算しても差し支えない」という通達を知っている税理士さんはほぼいらっしゃいません。


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