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賃貸経営における閑散期の空室対策と対策時の注意点とは?

賃貸経営における閑散期の空室対策と対策時の注意点とは?

 2月、3月の引っ越しシーズンを終えて、空室が埋まらなかった物件はありませんか?
 賃貸業界では、1月~3月の繁忙期が終わると閑散期がやって来ます。閑散期は繁忙期に比べて空室が埋まりにくいため、空室に悩む賃貸経営者も増える傾向にあります。
 今からしっかり対策をして、できるだけ早く空室を埋めていきましょう。
 今回は、賃貸経営における繁忙期後の空室対策と、注意点について解説します。

賃貸業界の閑散期・繁忙期とは?

賃貸業界の繁忙期
1月~3月、9月~10月
2月~3月は卒業・入学、就職、転職など新生活に向けて引っ越す人が増えます。
9月~10月は、人事異動で転勤する人が増える時期です。
この時期は引っ越しをする人が多いため、
不動産仲介会社の動きも活発になり、賃貸物件の空室が埋まりやすくなります。
賃貸業界の閑散期
6月~8月、11月~12月
繁忙期に比べて引っ越す人が減るため、
仲介会社の動きは繁忙期ほど活発でなくなり、キャンペーンなどの活用で客付けを行います。

 繁忙期で空室が埋まらなかった場合、放っておくといつまでも空室が埋まらない可能性があるため、閑散期に合わせた空室対策が必要です。
 閑散期の空室対策でできることを、次の章で解説します。

閑散期にするべき賃貸経営の空室対策

 閑散期に向けて賃貸経営の空室対策をする前に、まずは空室が続いている原因の分析を行いましょう。
 空室の原因は、物件や部屋ごとに異なるため一概には言えませんが、下記の状況が該当しないか確認してみてください。

  • 共用部分の清掃管理が行き届いていない
  • 同条件の物件と比較して家賃が高い
  • 〃魅力がない
  • 老朽化した設備の修繕をしていない
  • 入居者募集方法に問題がある
  • ターゲット層と設備が合っていない…など

 原因を分析したら、実際に空室対策を行いましょう。

 ここで紹介する閑散期の空室対策は、以下の4選です。

・物件に付加価値をつける
・初期費用に対するキャンペーンを行う
・リフォームで部屋ごとにバリエーションをつける
・ADを上乗せする

 上記の空室対策について、順番に解説していきますね。

物件に付加価値をつける

 あなたが経営する賃貸物件に付加価値をつけることで、他の物件と差別化できます。付加価値をつけるとは、具体的に以下のように入居条件や物件の条件を変更することです。

  • ペット可
  • DIY可
  • セキュリティ強化
  • ルームシェア可
  • 家具、家電付き
  • Wi-Fi完備

 付加価値をつける際のポイントは、物件のターゲット層のニーズに合わせることです。
 例えば、一人暮らしの女性は防犯設備が気になる人も多いでしょう。そのため、女性入居者が多い物件では、セキュリティを強化することが有効です。また、近くに大学があるなど若い世代に需要がある物件では、ルームシェア可やWi-Fi完備などの付加価値が効果的です。

初期費用に対するキャンペーンを行う

 賃貸物件で引っ越しをする場合、敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料など、まとまった資金が必要です。そのため、初期費用を安くすれば、閑散期でも空室を埋められる可能性が高くなります。

  • 敷金、礼金ゼロ
  • ・3ヶ月フリーレント
     などのキャンペーンを行うことが効果的です。

 また、付加価値として空室を家具、家電付きにすることでも、入居者の初期費用を抑えられるでしょう。

リフォームで部屋ごとにバリエーションをつける

 閑散期は、空室のリフォームをするのに良いタイミングです。特に築年数が経っている物件は、ひと手間加えると魅力が増して、客付けできる可能性があります。
 リフォームする際のポイントは、ただ新しくするだけでなく、部屋ごとにバリエーションをつけることです。同じ物件でも、和室と洋室、壁紙の色が複数あるなど、入居者の好みに合わせて選べると成約率が上がるでしょう。

ADを上乗せする

 賃貸物件のオーナーから仲介会社へ支払うADを普段よりも多く支払うと、仲介会社の士気が上がり、広告や案内に力を入れてくれる可能性があります。
 閑散期の空室対策をする上で、仲介会社からの協力は必要です。閑散期だからこそ、不動産会社との関係を重視しましょう。

閑散期に空室対策をする際の注意点

 賃貸物件のオーナーが閑散期に空室対策をする際の注意点は、以下3選です。

・現入居者のことも考慮する
・フリーレントは特約をつける
・安易に賃料を下げない
現入居者のことも考慮する

 空室対策として付加価値をつける場合、入居条件を変更することになります。条件を変更する際は、現入居者のことも考慮するなど慎重に行いましょう。
 例えば、ペット可にする場合は、犬の泣き声や動物の臭いなどがトラブルになる可能性があります。また、ルームシェア可にした場合、若い入居者が友人を集めて騒ぐ可能性もあるでしょう。
 トラブルが起きる前に、条件変更に対して現入居者の了承を得たり、新しい入居者に対してルールを設けたりするなどの対策が必要です。

フリーレントは特約をつける

 フリーレントありで入居者を募集した場合、入居希望者によってはフリーレント期間が過ぎると退去する可能性もあります。フリーレント期間のみでの退去NGなど、特約をつけておきましょう。

安易に賃料を下げない

 空室が続いている物件の場合、相場に対して賃料が高すぎる可能性があります。その場合は、相場に合わせて賃料を下げることも一つの手段です。
 しかし、すでに相場同等の賃料設定にも関わらず、むやみに賃料を下げることはおすすめできません。賃料が相場に対して安すぎると、不人気の物件だと判断されて空室が余計に埋まらなくなる可能性もあります。
 賃料を下げるのではなく、フリーレントや敷金・礼金ゼロなどのキャンペーンで対応しましょう。

閑散期に管理会社の見直しも一つの手段

 閑散期に空室を埋めるには、物件に合わせて対策をする必要があります。そのためには、専門的な視点からアドバイスしてくれる管理会社の存在が大切です。
 現状の空室が続く場合、管理会社の見直しを視野に入れましょう。
 管理会社を見直す際のポイントは、以下2選です。

・あなたの所有している物件がある地域に詳しい会社
・あなたの所有している物件のノウハウを持っている会社

 全国的に広く浅く対応できる不動産会社よりも、地域に根付いている会社の方が、その地域の情報量が多い可能性があります。
 また、賃貸物件と言っても、戸建て、一棟、ワンルームマンションなど、物件の種類によって管理方法が変わります。あなたが所有している物件に詳しい会社を選びましょう。

まとめ

 繁忙期で埋まらなかった空室は、閑散期に合わせた対策が必要です。閑散期は引っ越しを考える人が減るため、繁忙期よりも空室が埋まりにくくなります。
 まずは空室が埋まらない原因を分析し、付加価値、キャンペーンなどの対策で、早めに空室を埋めましょう。


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