住宅ローン支払い中に、不動産投資ローンは利用できるのか?
【目次】
①不動産投資ローンを組んだ後に、住宅ローンは利用できるか
(1)不動産投資ローンと住宅ローン
②2つのローンを組む際に気を付けること
(1)融資上限額
(2)金利の違い
(3)審査のポイント
(4)金融機関の種類とローン審査、金利の特徴
(5)初期費用
(6)金利種類
(7)ペアローンと不動産の名義
(8)事前に調べたいその他施策
①不動産投資ローンを組んだ後に、住宅ローンは利用できるか
結論としては、住宅ローンを組んだ後でも、不動産投資ローンを組むことはできます。これらローンの違いや限度額、金利などに触れつつ、深堀りしたいと思います。
あらためて不動産投資ローンと住宅ローンの違いとは何でしょうか。
どちらも不動産を購入するために金融機関から融資を受けるローンという点では共通です。違いは、融資してもらうお金の使途の違いです。
不動産投資ローンは「投資」とあるように投資や事業を目的に家やマンション、場合によっては商業ビルを購入するためのローンであり、住宅ローンは自分または家族が「住む」ことを目的に家を購入するために融資を受けるローンとなります。
②2つのローンを組む際に気を付けること
ローンの違いをおわかりいただけたところで、読者のみなさんの中で将来住宅を購入したいと思われ、並行して将来の資産形成として不動産投資も検討されている方が気をつけることとは何でしょうか。
金融機関からの融資は、残念ながら無限に借りられるものではありません。借入れをする人の条件に応じて、それぞれ「上限」が存在します。
この条件には、2つのカテゴリがあります。
一つは借りる「人」の属性です。
年収、勤務先の規模、勤続年数、他に借入金などの負債がないかなどです。
もう一つは、「物件」の属性です。
投資対象物件の価値を示す立地条件、新築時からの経過年数、土地の形状、前面道路の条件などです。
そして、不動産投資ローンには、この2つのカテゴリ以外に、「投資対象物件がどれだけの収益を生むかという事業計画性」が融資条件を決める条件に加わります。
お金を金融機関から借りている間には、融資金額と期間に応じて金利を金融機関へ支払うことになるわけですが、不動産投資ローンと住宅ローンでは金利の大小が異なります。
一般的に住宅ローンの方が金利は小さく(変動金利では)0.数%~、不動産投資ローンの場合は1%半ば~が目安となっています。
住宅ローンの方が金利が小さいのは、自身の居住用であることが前提であり、家は生活になくてはならないものという側面があるためといえるでしょう。
ネット上には、金利の違いによる総支払額のシミュレーションができるサイトがあるので試していただきたいですが、金利によって、返済金額の合計金額もかなり変わることがわかるかと思います。
基本的にはできるだけ金利は小さいところから借りる、場合によっては金融機関ときちんと金利の減額交渉をすることを覚えておいて下さい。金利の減額交渉はできます。
住宅ローンは自身や家族の居住用向け住宅の購入のために利用します。
金融機関が気にするのは、購入しようとしている家そのものもそうですが、そこに居住する人自身の信頼性、つまりサラリーマンでいうところの年収や勤め先の規模や安定性がポイントになります。
いわゆる大企業に勤められていれば不動産投資ローンに加えて住宅ローンを組むことも比較的容易ですが、今の年収は高くとも例えばスタートアップ企業でその企業の純利益が赤字だとすると、2つのローンの併用は、難しい傾向にあるようです。
不動産投資ローンにおいては、融資審査のポイントは購入する物件の収益安定性です。
例えば、新築で機能が充実した物件でも、山奥にあって借り手がつきそうもない物件に対して金融機関がお金を貸すかというと、そうではありません。
都心の駅近の物件で安定的に借り手がいて家賃収入の見込める物件への融資の方が金融機関も安心してお金を貸すことができますね。
極論ですが、事業性の高い掘り出し物の投資物件を見つけることができれば(情報化社会でなかなか起こりにくいご時世にはなっていますが)、年収など関係なく不動産投資ローンの審査を通す金融機関はあると考えられます。
不動産を購入するためには、よほどのお金持ちでないかぎり金融機関からローンを受ける必要があります。自己資金が少ないからと言って何も悲観することはありません。
不動産投資は、金融機関のローンを活用することによるレバレッジ効果こそ、大きなメリットになるのです。
金融機関のローンを活用することで、運用できる金額が大きくなり、投資効率を高めることができます。
金融機関の種類は、大きく次の5つに分けられます。
それぞれに特徴がありますが、ローンを受けるための難易度の高さ、金利の低さは、概ね以下のような順番になります。(1.が最も難易度が高いが金利が低い。逆に5.が最も難易度が低いけれども金利が高い。)
2.各都道府県にある地方銀行
3.地元に密着した 信用金庫・信用組合
4.日本政策金融公庫
5.ノンバンク
不動産投資ローンにおける金融機関の種類と特徴については、これだけでたくさんの内容になりますので、前回の弊社コラムにて情報提供しています。
詳しくはこちらにご覧ください→ 金融機関の種類とローン審査、金利の特徴
物件の購入には、購入代金以外にもさまざまなコストがかかります。
一般的には、
・手付金
・ローン代行手数料
・融資手数料 などです。
1億円の物件を購入する設定で話します。
仲介手数料は、素敵な物件を紹介してくれてありがとうを伝える不動産仲介会社に支払うお金です。仲介手数料は約3%が相場なので、300万円が必要です(減額交渉可能なので、必ず行いましょう)。
手付金は、購入したい気持ちを伝えるための前払い費用と言えます。物件購入費用の一部として組み込まれるため追加費用ではないのですが、購入意思を伝えるためにすぐさま支払うことが慣習上必要となるため、気をつける必要があります。
ローン代行手数料は、不動産仲介会社に金融機関の紹介や金融機関との交渉の対価として支払うお金です。
したがって、自身で金融機関を探し、お金を借りる交渉を行えば支払う必要はありません(当たり前のように支払いを要求してくる不動産仲介会社さんもいるので気をつけましょう)。減額交渉も十分可能ですし、無料の仲介会社も多いと聞きます。
融資手数料は、金融機関に対して支払う住宅ローンの受付から完済に至る事務費用相当諸費用です。金融機関も商売ですからやむを得ないところでしょう。
さまざまなコストを紹介しましたが、物件購入には、ある程度の現金を用意しておくことが必要といえます。
他にも、団体生命保険に加入するなどの保障契約書に貼付する印紙代(数万円程度)の負担も要求されることがあるので、契約の際にはよく確認されることをおすすめします。
一口に住宅ローンと言っても、金利の大小は異なります。金利には3つの種類があります。
・選択型固定金利
・全期間固定金利
変動金利は融資期間中の経済状況や政府施策に合わせて変動する金利、全期間固定金利は、融資期間中の金利が一定の金利を指します。
選択型固定金利は、融資開始から一定期間が固定で、一定期間終了後は変動or固定が選べるようなものになっています。
どちらが良いかといった議論は金利動向によって変わるので正解はありませんが、固定金利は融資期間中の金利を固定できるため資金計画を立てやすいことがメリットですし、変動金利は固定金利より金利が低く設定されていることがメリットですが、金利上昇時には支払い金額が大きくなるリスクを負うことになります。
ペアローンはご存知でしょうか。
ペアローンはあなたがご結婚されている場合、配偶者とともに融資を受けられるサービスです。
現代では共働き世帯が増えていると思いますが、自身と配偶者の二人の信頼を武器に、より大きなローンを組むことができます。
もちろん忘れてはいけないのは、言い換えるとその分多額の借金を抱えることと同義ですので、資金・返済計画はきちんと注意しましょう。
2つのローンを組む際に、考慮すべきさまざまなポイントがあることを感じていただけたかと思います。
最後に、住宅購入に際して政府や自治体から受けることが期待できる優遇制度につき、最も一般的で適用範囲の広い代表的なものを2つ簡単に紹介します。
・住宅ローン控除(減税)
すまい給付金は消費税増税に伴う住宅取得の負担軽減を図るため支給が開始されたもので、収入に応じて最大50万円を給付金として受け取ることが可能です。
住宅ローン控除は、毎年の住宅ローン残高の1%を10年間所得控除されるものです。
加えて、消費税率10%が適用される住宅を取得していた場合は控除期間が+3年間延長で13年間受けられる可能性もあるので、該当する方はよく調べて、必ず利用するようにしましょう。
今回は不動産投資に加え住宅の購入を検討されている方々へ、住宅購入に際して押さえておくべき事項を紹介させていただきました。他にも、マンションvs戸建、地方vs都心 など、さまざまな疑問が尽きませんが、このコラムが、ローンを組まれる際の一助になれば幸いです。
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