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不動産投資ローンにおける個人属性とは? 融資を行う金融機関は何を見ているか徹底解説!

不動産投資ローンにおける個人属性とは? 融資を行う金融機関は何を見ているか徹底解説!

 不動産投資をする際には、金融機関からお金を借りてローンを組むのが一般的です。
 金融機関は、個人属性を見て融資するか否かを判断していますが、そもそも、個人属性とはどのようなものなのでしょうか。
 そして個人属性の違いは、融資にどのような影響を与えるのでしょうか。
 今回のコラムでは、不動産投資ローンを検討している方に向けて、金融機関が融資審査をする際にチェックしている個人属性や、それに付随する条件について詳しく解説していきます。

①個人属性とは?

 個人属性は、融資を申し込んだ方の年収、勤務先やその規模、金融資産の有無、借入の有無など、その方の経済的・社会的背景を指します。
 お金を貸し出す金融機関側からすると、「この人に融資をしてきちんとお金が返ってくるのか」、また「この人に貸すならどのくらいの金額までが良いか」を判断する材料となるのです。
 一般的に、金融機関からの評価が高いと言われているのが、サラリーマンやOLなどの定職に就いていて、毎月きちんと収入が見込める方です。
 近年、サラリーマンやOLなどの会社員の方々で不動産投資を始める方が増加しています。これは会社員の方々の属性が高いことに起因している部分が大きいということなのです。
 また、医師などの年収が高い職業の方や、公務員の方も高属性となります。
 そして、個人属性には、勤続年数も関係してきます。直近3年~5年の収入をみられることが一般的です。勤続年数は、長ければ長いほど信用は高まると言えるでしょう。
 逆に、収入が不安定な方や、就職または転職して間もない方は、属性が決して高いとはいえません。
 また、高収入や安定した職業の方であっても、他の借入があるケースや過去に金銭トラブルなどを起こしたケースでは、個人属性は低くなってしまいますので注意が必要です。
 なお、金融機関側は、具体的にこれらの何をどのくらい見て、属性を判断しているのか、といった明確な基準値は公表していません。
 以下に、金融機関が個人属性を評価する際に使っている指標を挙げておきますので参考にしてください。

家族構成 同居している家族の有無
居住環境 持ち家か賃貸か
持ち家の不動産評価額
居住年数
勤務先と勤続年数 職種
会社の規模
勤務先の会社名
雇用形態
勤続年数
年収 個人年収(過去3年間~5年間)
夫婦での年収(子供さんの年収を含む場合も)
金融資産の有無 預貯金、株、債券など
借入がある場合はその内容と残債 借入の有無と残債
今後の返済計画

②ローンが通りやすい個人属性・ローンが通りにくい個人属性

 融資に関わる属性について「ローンが通りやすい属性」と「ローンが通りにくい属性」があります。
 ローンが通りやすい属性と判断される事項は、安定した返済が可能なことや高収入にあたるものが挙げられ、以下のような例があります。

 ・平均収入が高い業種
 ・安定性が認められている業種
 ・安定した収益をあげている自営業
 ・社内で高い地位(役職)に就いている

 具体的な職業でいうと、医師や弁護士、大手企業の社員や公務員などが該当するといわれています。

 次に、ローンが通りにくい属性と判断される事項として、返済が滞るリスクがあることが挙げられ、以下のような例があります。

 ・無職
 ・非正規雇用
 ・平均給与が低い業種
 ・勤続年数が3年未満
 ・安定した収益をあげていない自営業
 ・転職回数が多い

③個人属性が不動産投資ローンに与える影響とは?

 個人の属性は、不動産投資ローンにどのような影響を与えるのでしょうか。
 大きくは、「融資可」と「融資不可」ですが、融資可の場合は「金利」と「限度額」の2点になります。
 金利は、融資を受ける金融機関の種類によって異なります。その目安は、おおよそメガバンクで1%台、地方銀行で1.5%~3%程度、信用金庫で2%~4%程度と、銀行の属性によって差異があります。
 もし、3,000万円の融資を受けて返済期間25年で考えた場合、それぞれの金利で以下のようになります。

  1. 金利1.5%の場合は、月々119,980円、総返済額は35,994,148円
  2. 金利2.0%の場合は、月々127,156円、総返済額は38,146,723円
  3. 金利3.0%の場合は、月々142,263円、総返済額は42,678,858円

 金利が違うだけで、大きく返済額が異なるのがご理解いただけると思います。
 また、融資限度額については、一般的に年収の5〜7倍程度と言われています。
 しかし、属性によって、7倍までとなったり10倍までと大きくなったりして変動していきます。
 高属性の方ほど、金利は低くかつ限度額も大きくなります。金利が低ければ、総返済額が低くなりますし、限度額が大きければ投資の幅ができるため、不動産投資に取り組みやすくなります。

④物件属性も不動産投資ローンに影響がある?

 個人属性は特に問題がないのに、融資が下りない・・・なぜ?といったケースが存在します。
 その原因は、「物件自体の属性」にあることがよくあります。
 投資予定の物件が、どれだけ収入を生むのか、金融機関は、物件の持つ収益力や管理状態なども見ています。

 ・賃貸ニーズがきちんとあるエリアなのかどうか
 ・物件付近の利便性は良いのか
 ・想定される利回りはどの程度なのか
 ・築年数が経っている物件の場合、耐震基準は満たしているのか
 ・過去の修繕はどのように行われてきたのか

 など、上記のような項目で、物件自体の評価が低くなってしまっていると、個人属性がいくら良くても、融資が通らないこともあります。
 不動産投資を始めるに際しては、金融機関から高く評価が出る物件選びも重要になってくるのです。
 金融機関は基本、万が一返済期間中に名義人からの返済が滞ったケースを想定して、きちんと貸したお金を回収できるよう物件評価をしています。つまり、金融機関から一定の融資額が出ないような物件は資産価値が低いということになります。
 その場合は、いったん投資対象物件を見直すようにしましょう。

⑤個人属性を高く見せるためのコツは?

1.自己資金を多めに準備する

 金融機関への預金残高など、自己資金が多く準備できる方は個人属性が高くなります。
 現金を一度にたくさん準備できる人というのは、金融機関によってポイントアップ要素の1つとなります。
 近年、頭金が少なくても、またはゼロでも始められることを謳っている不動産会社もあります。
 しかし、ほとんどの金融機関では頭金の準備がないと融資してくれません。
 また、借入金額が大きくなると、後々のキャッシュフローに影響を及ぼす可能性もあります。(返済期間が長くて、残債がまだまだある一方で、建物が古くなって家賃を下げざるを得ない状態になる。つまりアンバランスが生じるといったケースです。)
 不動産投資で成功させるためには、無理なく返済できる融資額を受けることを念頭に、余裕のあるシミュレーションにすることが肝要です。

2.他に組んでいるローンを見直してみる

 かたや、もし他でローンを組んでいる場合にはご自身にとっての負債となります。
 これから組もうとするローン以外に、月々の返済額があると、その額によって融資額が少なくなってしまう、または融資自体が下りなくなってしまう可能性があります。
 他にローンを組まれている場合は、借り換えの見直しなど少しでも返済額を抑えることが重要です。

3.残高不足には要注意

 融資が下りない原因として口座の残高不足も挙げられます。
 よくあるケースですが、例えばある方の条件が、「年収は600万円、勤続年数も8年で勤めている会社自体も東証一部上場企業・・・」年収的にメガバンクからの融資は厳しいかもしれませんが、地方銀行などであれば、融資をしてくれる可能性が高くなります。
 しかし、この方でもどの金融機関からも融資が下りないことがあります。
 なぜなのでしょうか。
 それは、過去に口座の残高不足が原因で、「引き落としがかからない=未納」となってしまったからなのです。
 携帯電話料金の引き落とし口座を生活用口座とは別に設定していたようです。
 数ヶ月に1度、まとめて入金しておき、そこから携帯電話料金を引き落としていたのですが、残高があると勘違いし、入金をしなかった。
 たとえ、不足していた金額が数百円であってもです。
 その数百円が足りなかったがために、引き落としがかからず、信用情報に傷がついてしまうのです。
 信用情報は、各金融機関に共有されます。
 1度傷がつくと、数年間金融機関からの融資を受けることができなくなってしまいます。(信用情報が悪い場合でも、その情報は5年~10年で抹消されます。)
 うっかりしていようが、たった数百円の未納であろうが、金融機関には聞き入れてもらえませんので注意しましょう。

⑥まとめ

 いかがでしたでしょうか。
 不動産投資ローンを借りる際の個人属性について解説してきました。
 融資のどのような影響を与えるのか、また個人属性以外で融資に影響を及ぼす事項についてご理解いただけたでしょうか。
 融資をきちんとしてもらうためには、個人属性のほかに物件自体の属性も大切となります。
 融資審査は、個人属性と物件属性の両輪で成り立っています。あと、たった数百円で木津付いたという事例を出した信用情報です。
 物件の選定にあたっては、ぜひ不動産会社へ相談してみるとよいでしょう。
 こちらの記事が不動産投資ローンを検討している方の参考になりましたら幸いです。

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